アート食い倒れ

興味のあることは芸術や現代アートを見ていろいろと考えること。そしてお酒を飲みながら旬のおいしいものを食べて幸せに生きたい、そんなブログ。

カマトト「みがわり」/ 人間の葛藤と暴力性

上井草 エリア543で3月10日まで公演されていましカマトト『みがわり』を見てきました。

少し難しく100%内容を理解出来た訳でもなく頭の中でまとまってはいないですが

人間のエゴ
葛藤から逃げるために振るう暴力性

そういう人間の弱さと攻撃性を考えさせられました。

舞台にいる2人の男女の舞台は、牢屋を摸したかのような赤い格子が囲む。
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↑チケットに舞台のセットが

妄想?悪夢?に苦しむ男性と記憶が確かなのか妄想なのか、最初は見ていてわからない。

苦しみから逃げるために他人を利用する?(嘘を隠す男性、その男性と暮らす女性は妊娠しているのだが……
都合の悪いことに目を伏せて、なんなら記憶すらも改ざんして歪みながらもバランスをとる二人。

すくなからず誰しもこういう人生を経験してるのではないかと思う、本当に大人になっていく時に解決して自分の中にある自分と認めたくないものを解決していかなければならない。
そういう現代に生きる人間の葛藤と暴力性を考えさせられた内容に感じました。

自分が見た公演は本物の妊婦の女優が演じていて(妊婦なのは知っていた)、妊婦なのに妊婦役をする、そしてこの内容で女優は何を感じて演じていたのかとても興味深かった。

別公演では他の女優も演じているのだけど、その方はその方は妊婦ではない。
この妊婦と妊婦でない方の演じ方の違いとかも見てみたかった。

有名な劇団のアクション舞台や、スーパー歌舞伎のワンピースやら大きな箱での舞台は見たことあるのですが、演者の息遣いが聞こえてくる近さの舞台は2人の演者にのまれそうでとても良い緊張感でした。


最初は妊婦の女優の方を見に行くぐらいの軽いノリで見に行ったのですが、20代後半にかけての暴力性や葛藤が思い出されて懐かしく感じたよい舞台でした。