アート食い倒れ

興味のあることは芸術や現代アートを見ていろいろと考えること。そしてお酒を飲みながら旬のおいしいものを食べて幸せに生きたい、そんなブログ。

へぎそば、小麦粉の代わりに海苔を。

日舞台を見る前に少し時間があったので、久々にへぎそばを食べに行きました。

この店は一人で入りやすく、領収書もレジから出てハンコでポンでした(重要!)
高田馬場にある 『昆』 というお店です。

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「へぎそばとタレカツ丼セット」へぎそばだけだとおなかは物足りないかもしれないですが、つまみを頼んでお酒も飲むなら丁度いいですね。

蕎麦屋さんというと庶民派なおじさんだらけの店内なイメージか、ゆで太郎の様なファストフードの様なイメージ(どちらも好き)を持っていたのですが、このお店の内は少し暗く和風だけどジャズが流れているオシャレな雰囲気でした。

土曜日の18時に入店したのですがまだ人は少なく静かに食べることが出来ました。

へぎそばは小麦粉の代わりに布海苔という海苔をツナギに作られたそばで、ツルツルと軽く食べれて練り込まれた海苔の風味も爽やかでとても美味しかったです。

ここは日本酒も沢山揃えてあり、日替わりオススメメニューに並んで有名な銘柄の日本酒の生しぼりなども1合1000円くらいでありました。
もう少し時間があれば同じ時間帯でゆっくり飲みたいですね。

カマトト「みがわり」/ 人間の葛藤と暴力性

上井草 エリア543で3月10日まで公演されていましカマトト『みがわり』を見てきました。

少し難しく100%内容を理解出来た訳でもなく頭の中でまとまってはいないですが

人間のエゴ
葛藤から逃げるために振るう暴力性

そういう人間の弱さと攻撃性を考えさせられました。

舞台にいる2人の男女の舞台は、牢屋を摸したかのような赤い格子が囲む。
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↑チケットに舞台のセットが

妄想?悪夢?に苦しむ男性と記憶が確かなのか妄想なのか、最初は見ていてわからない。

苦しみから逃げるために他人を利用する?(嘘を隠す男性、その男性と暮らす女性は妊娠しているのだが……
都合の悪いことに目を伏せて、なんなら記憶すらも改ざんして歪みながらもバランスをとる二人。

すくなからず誰しもこういう人生を経験してるのではないかと思う、本当に大人になっていく時に解決して自分の中にある自分と認めたくないものを解決していかなければならない。
そういう現代に生きる人間の葛藤と暴力性を考えさせられた内容に感じました。

自分が見た公演は本物の妊婦の女優が演じていて(妊婦なのは知っていた)、妊婦なのに妊婦役をする、そしてこの内容で女優は何を感じて演じていたのかとても興味深かった。

別公演では他の女優も演じているのだけど、その方はその方は妊婦ではない。
この妊婦と妊婦でない方の演じ方の違いとかも見てみたかった。

有名な劇団のアクション舞台や、スーパー歌舞伎のワンピースやら大きな箱での舞台は見たことあるのですが、演者の息遣いが聞こえてくる近さの舞台は2人の演者にのまれそうでとても良い緊張感でした。


最初は妊婦の女優の方を見に行くぐらいの軽いノリで見に行ったのですが、20代後半にかけての暴力性や葛藤が思い出されて懐かしく感じたよい舞台でした。

ベクシンスキーの美しき終焉の世界

僕が1番好きなアーティストは誰と聞かれればすぐにこの名前を出します。
ポーランド出身の画家ズジスワフベクシンスキー。少年時代にナチス・ドイツポーランド侵攻を経験しており、自分より先に妻をそして薬物の過剰摂取による自殺で息子を亡くし、息子の死に折り合いを付けれなかったといいます。

そんな彼の人生を知った上で作品を見ていきたいと思います。


■ 目次
1、まずは作品を見てみよう。
2、死と絶望の作品を見て何を感じるか。
3、ベクシンスキーに影響を受けた人物
4、退廃芸術のオススメ作家。


1、まずは作品を見てみよう
http://beksinski.dmochowskigallery.net/galeria.php?artist=1
↑はベクシンスキーのHPのpaintingの作品です。

ネットでは「3回見たら死ぬ」や「見たら呪われる」等のウワサが流れてますが、僕は何回も見ているし画集も持っていますがまだ元気に生きているので大丈夫です。

この作品に興味を持たれた方はモノクロのdrawingや晩年の写真をベースにしたCG作品も是非ご覧ください。

昔はもっと不気味なHPでしたが、今は普通のデザインになってますね。


2、死や絶望の作品から何を感じるか?

ベクシンスキーナチス・ドイツポーランド侵攻により廃墟と化す街や人々の死を経験し、妻や息子の死を絶望のエネルギーに替えて表現されたであろう作品は、私たちがその絵の中に入ってしまったら米粒くらいの大きさなのではないかという圧倒的な押し寄せる死と絶望感を感じます。

ベクシンスキーは私たちが忘れてしまっている死という人間が最後に行き着く真理を表現しているように思います。


3、ベクシンスキーに影響を受けた人物と退廃芸術のオススメ作家。

これはネットでもよく言われている方ですが、漫画家の弐瓶勉さんです。
BLAME!という漫画を読めば一目でベクシンスキーをリスペクトしている世界観になっています。
(僕は大好きなので漫画は全巻持っています。)

月まで届く構造物に覆われた遥か遠い未来の地球を舞台にしていて、圧倒的な構造物の中を旅する主人公。巨大な空間に出た時の背景などはそのスケール感はベクシンスキー好きにはハマると思います。

また、気になる点としては、登場人物の名前です。
後半のストーリーに出てくる敵か味方か分からない謎の人物「ドモチェフスキー」通称「ドモ」
そして、ベクシンスキーの大半の作品を所有し「ピョートル・ドモホフスキー」

ポーランド人の名前の発音は日本語にない発音だと思うのですが、弐瓶勉さんはこのコレクターの方の名前を少し替えて作品の中に登場させたのではないかと思います。こう考えると弐瓶勉さんが相当ベクシンスキー好きなのではないかと想像してしまいます。

4、オススメの退廃芸術の作家
2019年3月21日まで札幌市近代美術館で開催している「深井克美展」全く別の目的で札幌に行ったのですが、たまたま見たポスターに惹かれ行ってみました。
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/knb/
↑美術館のHP

説明には、病に苛まれながら自己を見つめ人間という存在と徹底的に向き合った画家と書いてあります。
彼は30歳で自ら命を断つことになるのですが、その少ない制作期間の中で、彼が見つめる死と絵の中に光が感じられる表現がよく見られるのですが恐らく希望。

死を身近に感じつつそこに希望を感じていたのか、自ら死を選択したことから死自体が希望で救いという意味なのかは分かりません。
しかし、ベクシンスキーに通ずる死と絶望の美の世界は是非見てもらいたい画家です。



このように色々と書きましたがこれは個人的な意見であり、正解は作家本人にしかわからないことです。
しかし見る側はその答え合わせをするために美術館に行くのではなく、好きに色々と解釈していいのだと思います。
アーティストはその色々な解釈を全て内包する作品を作っていると言っても過言ではないので、興味のある作品を見た時にまず解説を見るのではなく自分が何を感じているのかを大切にして見てもらいたいと思います。

ソフィーカル 3つの展示が同時開催!!

ソフィーカル SOPHIE CALLE 3つの展示に行ってきました。

おそらくこの順番で見るとソフィーカルのよさが感じられるのではないかなと思います。
死や苦しみをテーマにしていながらもそれに嘆いたり悲しむのではなく、「向き合う」事が伝わってくる良い作品でした。


まずは日比谷線六本木駅3番出口からすぐのペロタン東京へ。

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写真を作品に使っている友人に誘われたのですが、写真の作家と聞いて見るのを躊躇していました。
正直、写真の作品は個性的な人物が立ってる作品とかスナップ写真とどう違うの?と思うことが多く避けていましたが、写真とともになぜこの写真が撮られたのかというバックグラウンドが書かれたパネルが設置していて、観ていて作者の視点やテーマを自分なりに想像することが出来てとても楽しめました。

ソフィーカルの作品は表現したいことがまずあってそれに合う支持体が写真だったのだなと感じられました。(僕にとってここは重要で、技術すごいでしょ?とか伝えたいことが先に見えてこない作品に興味が持てないです)

2017年辺りの新しい作品で、ソフィーカルは65歳という年齢だがまだまだ表現に試行錯誤をしている様に見えました。


そして2番目は原美術館。(写真はないです…)
閉館が決まり残念でならないこの美術館。
戦前の建物の雰囲気にマッチしたソフィーカルの作品。『限局性激痛』

人生最悪の日までをカウントダウン形式で、3ヶ月日本にいなければならない作家自身が写真を通して観る側も追体験できるような作品でした。

これは過去の作品で代表的なものらしいです。

作品は1部と2部があり1部は上記で2部は最悪の日の事を他の人の最悪の日を文章で交換することで、ソフィーカル自身が自分の最悪の出来事を消化していく様が見れます。少しクスッとするとこがおもしろい。

3つ目は銀座にあるギャラリー小柳
これはおそらく最新作であろうと思われる。制作年を見るのを忘れてしまいました。
最新作であろうというのは1つ目に見た展示でアクリルに文字が書いてあり、一定の間隔で後ろのライトが付き写真が出てくるという写真と文字が重なった作品がありそれの発展型、もしくは売り物として考えられた作品なのではないかと思います。


なぜこの流れで作品を見たらいいのかというと、作品の経過というか進化がわかりやすく見れると思います。

1つ目のペロタン東京でソフィーカルの代表的な表現スタイルの写真とテキストを分けているのを観る。その中に写真とテキストを同時に見れる新しいスタイルの作品を観て「なるほど、この人は本来こういう風に作品を観て欲しいんだな」と思う。

2つ目にソフィーカルの代表的な作品を観て、さらに彼女の目線がどういうところにあるのか、そしてどう表現するのかを知る。

3つ目に最新作かつ売る作品を観る。

この流れで観る事ができたので、写真の作品が苦手な僕自身もソフィーカルという作家のすばらしさを少しでも理解できたのではないかと思いました。


ペロタン東京 3月10日まで  東京都港区六本木6丁目6−9
原美術館 3月28日まで   東京都品川区北品川4丁目7−25
ギャラリー小柳 3月16日まで  東京都中央区銀座1丁目1−7−5 銀座小柳ビル9F 

3つ同時に見れることはあまりないと思われるので是非行ってみて下さい。

詳しくは↓
bijutsutecho.com

ブログ開設!

ここでは僕の興味のあることにできるだけ自分の目で見て経験して記事にしていきたいと思っています。

・アート、芸術、旅先で出会ったもの、仏像

・お酒やおいしいごはん

この辺りで書いていきます。

 

アートに関しては展覧会やギャラリーに実際に行き感じたことを書きたいです。

アートの魅力を伝えようと考えています。

 

二つ目のテーマのお酒やおいしいご飯を食べれる店ですが、これもお酒好きなのでお酒の知識やおすすめのお酒など紹介します。

お店は居酒屋やバーだけでなく、美術館に近いところでランチがおいしいところなどを紹介できればと思います。