アート食い倒れ

興味のあることは芸術や現代アートを見ていろいろと考えること。そしてお酒を飲みながら旬のおいしいものを食べて幸せに生きたい、そんなブログ。

ソフィーカル 3つの展示が同時開催!!

ソフィーカル SOPHIE CALLE 3つの展示に行ってきました。

おそらくこの順番で見るとソフィーカルのよさが感じられるのではないかなと思います。
死や苦しみをテーマにしていながらもそれに嘆いたり悲しむのではなく、「向き合う」事が伝わってくる良い作品でした。


まずは日比谷線六本木駅3番出口からすぐのペロタン東京へ。

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写真を作品に使っている友人に誘われたのですが、写真の作家と聞いて見るのを躊躇していました。
正直、写真の作品は個性的な人物が立ってる作品とかスナップ写真とどう違うの?と思うことが多く避けていましたが、写真とともになぜこの写真が撮られたのかというバックグラウンドが書かれたパネルが設置していて、観ていて作者の視点やテーマを自分なりに想像することが出来てとても楽しめました。

ソフィーカルの作品は表現したいことがまずあってそれに合う支持体が写真だったのだなと感じられました。(僕にとってここは重要で、技術すごいでしょ?とか伝えたいことが先に見えてこない作品に興味が持てないです)

2017年辺りの新しい作品で、ソフィーカルは65歳という年齢だがまだまだ表現に試行錯誤をしている様に見えました。


そして2番目は原美術館。(写真はないです…)
閉館が決まり残念でならないこの美術館。
戦前の建物の雰囲気にマッチしたソフィーカルの作品。『限局性激痛』

人生最悪の日までをカウントダウン形式で、3ヶ月日本にいなければならない作家自身が写真を通して観る側も追体験できるような作品でした。

これは過去の作品で代表的なものらしいです。

作品は1部と2部があり1部は上記で2部は最悪の日の事を他の人の最悪の日を文章で交換することで、ソフィーカル自身が自分の最悪の出来事を消化していく様が見れます。少しクスッとするとこがおもしろい。

3つ目は銀座にあるギャラリー小柳
これはおそらく最新作であろうと思われる。制作年を見るのを忘れてしまいました。
最新作であろうというのは1つ目に見た展示でアクリルに文字が書いてあり、一定の間隔で後ろのライトが付き写真が出てくるという写真と文字が重なった作品がありそれの発展型、もしくは売り物として考えられた作品なのではないかと思います。


なぜこの流れで作品を見たらいいのかというと、作品の経過というか進化がわかりやすく見れると思います。

1つ目のペロタン東京でソフィーカルの代表的な表現スタイルの写真とテキストを分けているのを観る。その中に写真とテキストを同時に見れる新しいスタイルの作品を観て「なるほど、この人は本来こういう風に作品を観て欲しいんだな」と思う。

2つ目にソフィーカルの代表的な作品を観て、さらに彼女の目線がどういうところにあるのか、そしてどう表現するのかを知る。

3つ目に最新作かつ売る作品を観る。

この流れで観る事ができたので、写真の作品が苦手な僕自身もソフィーカルという作家のすばらしさを少しでも理解できたのではないかと思いました。


ペロタン東京 3月10日まで  東京都港区六本木6丁目6−9
原美術館 3月28日まで   東京都品川区北品川4丁目7−25
ギャラリー小柳 3月16日まで  東京都中央区銀座1丁目1−7−5 銀座小柳ビル9F 

3つ同時に見れることはあまりないと思われるので是非行ってみて下さい。

詳しくは↓
bijutsutecho.com